富主姫神社

富主姫神社は閖上日和山の山頂にある神社で、閖上湊神社の末社となっております。

〈御祭神と御神徳〉

市杵島姫命を祭神としております。市杵島姫命は宗像三神のうちの一神で、いずれも美人である三姉妹神の中でも、市杵島姫命はとりわけ美しい姫神とされているため弁才天(弁天様)に見立てられております。開運、商売繁昌、技芸上達、海上安全、航海安全、陸上安全、漁業祈願など地域の崇敬を集めております。

〈御由緒〉

 江戸時代、塩場より製造した塩を幕府に献上するため、船で江戸へ運搬する途中、房州(千葉県南部)沖で遭難したとき、船頭たちが竹生島弁財天に祈願したことにより無事帰還できたという御利益に感謝し、竹生島弁財天を伊藤家(製塩業)に勧請し、塩場近くの沼に弁天島を作り氏神様として祀られたのが始まりとされております。その後も豊漁守護の御利益が数々あり、町中より参詣者が絶えないことから富主島(宮下橋付近)に御鎮座致しました。

 伊達藩の貞山運河開堀などを機に一時冨主旅館へ御遷座致したのち、明治41年に湊神社へ合祀されましたが、日和山の築山とともにその山頂へ御遷座致しました。

〈祭礼〉

5月5日に例祭が執り行われ、製塩にちなみ湯立ての神事が行われておりましたが、東日本大震災により釜が流失したため、現在は行われておりません。

東日本大震災による被害

東日本大震災前の富主姫神社

東日本大震災前の富主姫神社

平成23年3月11日の東日本大震災による大津波によって社殿が流失。同6月に湊神社とともに神籬を建立し再建に向かうことになります。

大津波により社殿が流失(平成23年3月、当社宮司撮影)
平成23年6月、閖上日和山山頂にて

平成25年5月、クラウドファンディングの利用し新たな御社が建立され、閖上の地を見守っておられます。また、東日本大震災による犠牲者をお祀りする鎮魂社にもなっております。

東日本大震災後に再建されたお社