富主姫神社は閖上日和山の山頂にある神社で、閖上湊神社の末社となっております。
〈御祭神と御神徳〉
市杵島姫命を祭神としております。市杵島姫命は宗像三神のうちの一神で、いずれも美人である三姉妹神の中でも、市杵島姫命はとりわけ美しい姫神とされているため弁才天(弁天様)に見立てられております。開運、商売繁昌、技芸上達、海上安全、航海安全、陸上安全、漁業祈願など地域の崇敬を集めております。
〈御由緒〉
江戸時代、塩場より製造した塩を幕府に献上するため、船で江戸へ運搬する途中、房州(千葉県南部)沖で遭難したとき、船頭たちが竹生島弁財天に祈願したことにより無事帰還できたという御利益に感謝し、竹生島弁財天を伊藤家(製塩業)に勧請し、塩場近くの沼に弁天島を作り氏神様として祀られたのが始まりとされております。その後も豊漁守護の御利益が数々あり、町中より参詣者が絶えないことから富主島(宮下橋付近)に御鎮座致しました。
伊達藩の貞山運河開堀などを機に一時冨主旅館へ御遷座致したのち、明治41年に湊神社へ合祀されましたが、日和山の築山とともにその山頂へ御遷座致しました。